牽牛子記

What's the story, Morning Glory?

雪だ ま

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「起きたら真っ白だったので雪だるまを作ろうと思ったんだ」 

「うん」 

「でも雪だまひとつで疲れたし、遅刻しそうだったからやめた」

「それじゃ半分しかできてないよ」 

「いや、足りないのは『る』だけだから、5文字中4字だ。出勤前に8割できたんだよ、って誇ってもいいと思うんだ」

「なに言ってるんだか」

森見登美彦

あんまり読み込んでいるわけじゃないから、ぬるくしか考えていないけど。

太陽の塔』あたりの非生産的悶々感がリアルな森見登美彦(学生時代)に近くて、それのアクを抜き、『不思議の国のアリス』とあわせて泡立て器で角が立つくらいまでホイップして口当たりよくしたのが『夜は短し歩けよ乙女』ってことでいいですか。

その後もりみーはかぐや姫モドキを地球に居着かせ、晴れてリア充となったので筆の感じがかわった気がするため、かつて感じられた非リア的共感性は失われたと言っていいが、むしろそうであってくれないと困る。非リア悶々のこってりスープは飲み過ぎると胸焼けのもと。

あの書き方は、かぐや姫≠キリッとした麗しい黒髪の乙女のモデルさん なんじゃないかと思われるので、片想いは片想いのままだったのかぁと。姫さまならびに現在の幸せもりみーには悪いけど、ちょっと切なく思った次第。(かくしてノンフィクションから始まったお伽話は凍結され、完成したのである。)

かぐや姫とお幸せに。

Прогресс

おうちでお仕事中。

NHKの『プロフェッショナル』の音だけ聞いていた。

パンの出来がずっとダメだしされつづけていたお弟子さん、最後に5つ中2つだけ店に出してもらえて、笑みを隠しきれていなかった。僕は多分このお弟子さんのような性格だから自分に重なる。

師匠さんは、自分に厳しくかつ他人に厳しい人。お弟子さんは、きっとそれよりも先にうれしさが出ちゃう人。持ち上がってしまう口の端を抑えながら「ここで満足しちゃダメなんですよね」と自分に言い聞かせていた。

まぁ、そりゃそうだ。5つ中2つだもんな。

僕だってあと4つくらい店頭に出してもらわないといけない。