牽牛子記

What's the story, Morning Glory?

森見登美彦

あんまり読み込んでいるわけじゃないから、ぬるくしか考えていないけど。

太陽の塔』あたりの非生産的悶々感がリアルな森見登美彦(学生時代)に近くて、それのアクを抜き、『不思議の国のアリス』とあわせて泡立て器で角が立つくらいまでホイップして口当たりよくしたのが『夜は短し歩けよ乙女』ってことでいいですか。

その後もりみーはかぐや姫モドキを地球に居着かせ、晴れてリア充となったので筆の感じがかわった気がするため、かつて感じられた非リア的共感性は失われたと言っていいが、むしろそうであってくれないと困る。非リア悶々のこってりスープは飲み過ぎると胸焼けのもと。

あの書き方は、かぐや姫≠キリッとした麗しい黒髪の乙女のモデルさん なんじゃないかと思われるので、片想いは片想いのままだったのかぁと。姫さまならびに現在の幸せもりみーには悪いけど、ちょっと切なく思った次第。(かくしてノンフィクションから始まったお伽話は凍結され、完成したのである。)

かぐや姫とお幸せに。